何故(通称)と付くのかと言えば、この劇団はトリのシルエットの絵が描いてあって、「これが私達の名前です。好きな呼び方で呼んで下さい」としているのだ。まぁ、それでは載せられない所もあるので(情報誌など)、「トリのマーク(通称)」となるのだが・・・。
初めて出会ったのは、十ン年前の東京修行時代。「じゃむち」(と言う、関西発の演劇雑誌があったのさ)の東京の演劇情報に載っていたのだ。妙に心惹かれ、(招待券も当たって)友人と観に行き、すっぽりとはまってしまった。あの時はストライプハウス美術館だったな。
劇場ではない場所にこだわったパフォーマンス。自分がどういうものに惹かれるのかを感じた機会のひとつであった。その後、私は大阪に帰ったので、公演を観たのは2回だけだったが、その活動は常に気になっていた。今は、向島に拠点を持ち、作品作りをしている。
と、そんなトリのマークが「地域資源を活用した演劇づくり」ワークショップを行うと言うことで、昨年末に申し込み。昨日が、その第一回であった。
夕方、お鍋いっぱいの粕汁を作り置いて、トリのマークが向島で運営している「アート&カフェこぐま」へ向かう。
電車に乗って、鞄の中を見て気が付いた。
・・・無い・・・
・・・無いっ!
・・・無い〜〜〜!!
曳船駅から「こぐま」への地図と目印の建物の写真付き案内、連絡先、乗り換え検索。プリントアウトした諸々が、無いよ〜。忘れてきたよ〜。
頭の中をひっくり返し、叩きまくって、記憶を引っ張り出す。出て来いっ!出て来い記憶!!そうだ、確か、商店街だ。何て名前だっけ?あ〜鳩だ、鳩って入っている名前だったぞ。え〜い!駅前交番に飛び込む。
「この周辺で鳩って付く商店街、ありませんか?」
「鳩の街通りかなぁ?」
「そ、それだと思います!」
地図を見せてもらうと、入り口のスーパーの名前に覚えがある。何故覚えているか?「エネルギースーパー」って言うのだもの。めちゃめちゃ印象的ですがな。
「間違いないです!行き方教えてください!」
いやぁ、どうなることかと思ったよ。
無事到着。「こぐま」は、もと薬局。う〜ん、ものすごく「熊茶花薬局」を思い出しますよ(くま、だし)。昔の薬棚を利用した棚の上のほうには薬がレイアウトされている辺りも・・・。
学校で使っていた机と椅子。猫の気配。ワクワクしながら、ワークショップのスタートを待つのでありました。