川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

ふたりのイーダを思う

 子供の頃に読んだ本に、松谷みよ子さんの『ふたりのイーダ』がある。
「イナイ、イナイ、ドコニモイナイ」
 と呟きながら歩く小さな椅子の姿が印象的だった。
 主人公の少年が出会う、物語のキーになるお姉さんは、幼い頃に広島で原爆にあい、さ迷っているところを拾われている。
 出版から数年後の、私の小学生の時に映画化。多分、本を読んだのはそのタイミング。映画は見ていない。
 被爆者が若い女性として登場するくらいの距離感。そう、戦争はまだ、近いところにあったのだと思う。
 だから、今の若い人に、ましてや子供に、同じ距離感で理解せよと言うのは無理がある。
 ちょっと遡って確認。

 今の自分が、足尾鉱毒事件や義和団の乱をどれくらいの距離感で見てる?それくらいの遠さなんだよな、1945年は、今の小学生にとっては。
 だから、伝え方は考えないといけないんだと思う。同じやり方では、途切れてしまう。どうすればいいのか。子供達との時間の中で、悩ましい問題。