川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

めがねっこ

 一つ、歳を重ねた。・・・と言う実感湧かない。覚悟が出来てない。実年齢に対し、自分の実感が5年くらい遅れてる気がするよ。

 さて、そんな昨日、夕方からちょいとお出かけ。港北のノースポート・モールへ。
 ここにはワーナー・マイカル・シネマズが入っている。昨日より公開の『めがね』を観たかったのである。
 まずは、レイトのチケットを確保。それから晩御飯を食べに、モールの中をぶらぶら。あっちにするか、こっちにするか。しばし悩んだ後、地下にあるオーガニックレストランへ。

 美味しかった!じっくりお野菜の味を堪能。オール玄米の御飯も久しぶり。実家では圧力鍋で炊いていたのだが、今は炊飯器で普通に炊ける発芽玄米を白米と混ぜる形になってるからなぁ。この香りと歯ごたえ。美味しいよぉ。食後に選んだのはチーズケーキ。これがまた美味しかったのだ。ニコニコしてしまう。一口食べたい〜、と相方のリンゴタルトと交換。こっちも美味しいわぁ。「あ、このチーズの濃いのはちょっと苦手やな」と言いつつ、ちょっとぉ、一口以上食べてはるやん!こらこら〜。

 満足満足、と満腹のお腹を抱え、同じフロアのエスニック雑貨屋さんや家具屋さんを覗いた後、映画館へ。

 さぁさぁ、『めがね』だ。まだ観てない人は、ネタばれがあるかもしれないから、この先は読まないで下さいませ。














 ・・・ネタばれ。それがストーリーと言うことなら、バラすほどに大きなストーリーがあるわけではないのだが。ゆるゆると時を過ごす人々が描かれているわけで・・・思ったこと、感じたこと、ゆるゆると並べてみよう。


 まず思ったのは、美味しいもの食べてからで良かった!ジャンクフードを食べてから観てはいけませんな。とにかく、美味しそうな食事風景が、何度も出てくる。まるごと海老食べた〜い!あのカキ氷食べた〜い。お礼に何を持っていこうか、そんなことをワクワクと考えてしまう。

 サクラ(もたいまさこ)さんは、なんと、かっこいいのだろう。自転車で現れた姿は、間違いなくヒーローだった。その眼光に当てられ、トランクを置いて行くタエコ(小林聡美)。自転車の後ろで小さくなっている彼女の姿が遠ざかって行く光景に、あの瞬間に彼女が置いて行ったものの大きさを感じて、胸がチクリとした。

 サクラさん指導で、浜辺でみんなでメルシー体操。なんだこの踊りは?と思ったら、珍しいキノコ舞踊団の伊藤さんが振り付けですか。納得。

 『かもめ食堂』でも思ったけど、色使いが綺麗な映画だな。今回は、赤が差し色として効果を発揮。


 はっきりとしたストーリーとか明解なテーマとかを求める人には、向かない映画だろうな。何も説明はしない。解決も、多分、していない。ただ、ゆるゆると、あるがままに過ごす人たちの姿。
 最近、説明しない、と言うことがテーマとして私の前にあるなぁと思う。それは、お客さんの想像力に委ねる、その場の空気に乗せて行くといううこと。それは、お客さんを信じると言うことでもある。森田さんワークしかり、インプロしかり、JET POETも、そうかな。無理やり説明しようとしなくても、お客さんは想像してくれる。そこに楽しさがある。理詰めにして、説明をしすぎて、ジャッジしてしまって。つまりは想像の余地が無いものって、親切なようで親切では無いのではないだろうか。そんなことを思う。


 やさしい気持ちになって、映画館の外に出る。歩き出す。力を抜いて、かつ姿勢良く歩きたくなる。うん、そんな映画だったよ。