川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

コメディア・デラルテ〜ジャック・カロ展

 上野へ。ジャック・カロ展@西洋美術館。
 ホフマンの『ブランビラ王女』を手に取ったのはいつだったろう。多分、イタリアへの関心から、ローマのカーニバルが舞台と言う物語が気になったのだ。ジャック・カロの絵から着想されたと言う奇想天外な物語。
 パントマイムを習い始め、コメディア・デラルテと言うイタリアの仮面劇を知り、ワークショップを受け、あれ?と気が付いたのだ。そう、カロの絵に描かれていたのはコメディア・デラルテのキャラクター。
 コメディア・デラルテは決まった役(ストック・キャラクター)が居て、衣装や仮面が決まっています。で、いくつかの題材によるシチュエーションがあり、即興で展開していきます。ひし形模様の衣装を着ているのがアルレッキーノ。フランス語だとアルルカンピカソの作品にありますね)、英語だとハーレクインになる訳です。
 我が家の玄関には、姉から貰ったアルレッキーノとその恋人コロンビーナ(アルレッキーナ)がおります。

 そんな、ジャック・カロの描く版画絵の数々。細かく描かれた世界は、画業の進展とともに、よりダイナミックに、想像力に空想力溢れた物になって行く。あそこでここであんな人こんな人の群衆、口から何本もの槍が飛び出た怪獣。
 ウォーリーを探せもファンタジーも、とっくにここにある。
 ざわざわと中学生?の団体。キャプションを書き写すのもいいけど、もっとじっくり見ようよ。ふと、隣に立った子が文字を写し終わって、絵に目をやった。思わず「面白いよね」と言ってしまう。「はい」とお返事がありました。しばらく並んで、食い入るように見てしまいました。「これ、ほら」「うわ〜」。後で、変なおばちゃんに絡まれたとか言われてるかしら(汗)。
 しかし、細かいエッチングは、……そろそろ近眼眼鏡を外さなきゃならんのが、残念。入り口に用意された虫眼鏡の意味を悟るのでありました。