川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

新川和江さん

新川和江さんが亡くなられた。
 私の詩のベースには、確かに新川和江さんの詩がある。分かりやすい言葉、日常の視点、男女の描き方。女の視点、子どもの視点。
 教科書にあったから「私を束ねないで」を上げる人が多いのかな。私は、あのラストを「詩」にしてしまってることが少し引っ掛かっている。
 それはそれとして、私にとっての出会いは模試。確か中三の時。「記事にならない事件」と言う詩があって、試験中であることを忘れて心が震えた。あ、リフレインが好きなのも、この詩の影響か。
 とにかく、それから時間を置かず、詩集を買っていた。初めて自分の意思で買った詩人の詩集。あの詩もこの詩も好きで、何度も口に出して。
 産経新聞の詩の投稿欄、朝の詩が新川和江さんを選者として始まってからは毎月投稿するも一度も採用されず(TOT)
 大学生になって、一度、書くことから離れたのは、大学で出会った人たちの書くものを読んで自分の書くものに自信がなくなったことと、読みたい詩は新川和江さんが書いてくれてるから自分が書かなくていいんだ、と思ったから。
 詩のボクシングとの出会いで詩を書くことに戻ってから何年後だろう。あるイベントで新川和江さんをお見かけしたのは。お声をかけることは出来なかったけれど、歳を重ねても前のめりなお姿が素敵だったな。
 ありがとうございました。合掌。
「電話のベルは 鳴りっぱなし 鳴りっぱなし 誰も出ない 誰もいない 月曜日が来ても」(「記事にならない事件」より)