川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

6本の足、6本の腕

ochamatsuri2009-06-09

 そうそう、先週は再び上野に行ったのだった。
 
 出かけようと戸塚駅へ。「この前も無かったからなぁ」と思いつつ駅近くの金券ショップを覗く。・・・ん?

 入り口に張り紙。
「阿修羅展、6/7まで。お早めに!」

 ええ〜!あるのん?!

 一枚だけだが、800円でゲット(ほんまは1500円)。まぁ、ロー○ンで購入したらしい、愛想の無いチケットだが、これはラッキー。

 上野に着き、もう一枚、こちらは正規の値段で購入。その代わり、阿修羅像の印刷されたもので、コレクション的には楽しい。

 さてさて、まずは上野の森美術館へ。「ネオテニー・ジャパン」。見たかったのは、会田誠さんや山口晃さん。
 会田さんの紐育空爆之図をじっくり・・・あれ?ん〜?ものすごく小さく描かれている青い箱。一歩下がる。すぐ近くに展示されている小沢剛さんのなすび画廊。どう見ても、これだよなぁ。遊び心。家に帰ってから検索してみたら、やっぱり、そうなのね。で、他の作品も隠れていたのか。それは気が付かなかったわ。
 山口晃さんの作品は、もっと見たいなぁ。隅々まで、サービス精神。
 あと、鴻池朋子さんの作品にはしばし見入ってしまった。6本足の狼が、自然に見える不思議。立体も平面もアニメーションも。導入にこれを持ってくるのは、上手いなぁ。
 現代アート。名前を知っている作家もいれば、作品だけは覚えがある作家もいれば、まったく初めましてなものも。それらをぼ〜っと眺める中で、自分の好みが何となく判ってくるのが面白い。


 美術館を出て、国立博物館へ向かう。相方からは、向かっていますのメール。平日の開館時間延長はありがたいなぁ。こういう形で平日にデート出来るのは、転勤のおかげか。

 さて、阿修羅展。相変わらず並んでいるけれど、まぁ、これなら何とかなるだろう。並びだしてから、思ったよりも早く会場に入れる。
 会場の案内をしているお姉さんが、一瞬言葉が出なくなって「あぁ、ふう。」と言う感じで仕切りなおして再び声を上げる、と言う微妙な瞬間に立ち会ってしまう。お疲れ様です。

 阿修羅像の前は、と言うか回りは、えらいことになっている。その周りをぐるりと取り囲む人人人人・・・。その何重にもなった人の輪がゆっくり動いている。メッカ巡礼の図を思い出す。その一番内側の人の輪の中にスタッフさんが二人。後ろから押されながら、柵をつかみながら、ゆっくり歩いている。あぁ、なるほど。身体を張って、立ち止まらないように促がしているのか。
「一歩ずつ歩いてくださ〜い。後ろに見たい方がいらっしゃいます。一周されましたら、交代して下さ〜い。」
 といった事をず〜っと叫びながら、もみくちゃにされながら。うあぁ、これは大変やわ。阿修羅よりも、この二人が気になってしまう。いやはや。
 阿修羅は、ねぇ。いや、ニュースでこの状況をちらっと見ていたのでそんな予感はしていたのだが・・・。いつか、興福寺でゆっくりお目にかかりたいと思います。後姿と言う、普段は見れない部分を拝見する事ができました。と、そう言う感想だけで終わってしまいそうな。一周した後は、離れたところからしばらく拝見。

「お疲れ、みたいだね。」
「うん。なんか、力が感じられない。」

 と言うのが二人とも感じた事。手前の展示室の他の八部衆十大弟子の像の方がよっぽど元気がありました。いや、もともと阿修羅はあの細い腕や顔つきで、他の像より柔らかい印象なのだが・・・だからこそ、あそこで一人別室で人に取り囲まれている姿が痛々しくて。せめて、他の像と並べて、・・・とすると、今回の展示の趣旨から外れるか。
 せめて、閉館時にお香を焚いたりお経を上げたりお花を上げたりしてもらっているのだろうか。このまま九州に行って大丈夫だろうか。そんなことが心配になる。

 八部衆十大弟子も、モデルがいて造ったのかなぁ。リアル。いや、カルラがリアルに見えるってのも不思議だが。なんと言うか、生身の人間っぽい。でも、八部衆のモデルは日本人じゃないね。出来るなら、当時の色を再現したものを見たかったが。CGとかで、ね。

 対して、興福寺、鎌倉復興期の仏像は、仏像としてのお顔をしていらっしゃる。しかし、まぁ、なんとも力強い。阿修羅の後だけに、そのパワーに圧倒される。

「こっちは、元気いっぱいやね。」
「ちゃんと、生きてはるわ。」

 しばしその前で、ぼ〜。力をいただく。

 そうそう、創建時に地鎮のために埋納された鎮壇具も展示されていて、久しぶりに出土品と言われる物を拝見し、ちょっとワクワクもしたのでありました。

 
 さて、こうやって展覧会に出かけると、また新たなチラシを手にしてしまうわけで、あれもこれも気になる〜。
 ・・・しかし、そろそろ芝居も見に行こうよ。あれこれご案内いただいているのに、返事も出さずの無礼者。あかんやん。ワークショップも表現教育も、あ〜、頭の中が整理出来ないっ!


 写真は7月からの「伊勢神宮と神々の美術」の割引券。色んなデザインがあって素敵。引換券?え〜、これを回収されるのはもったいないなぁ。ほいで、赤福の特別販売があるらしい。飛ぶように、売れるんだろうなぁ。