川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

『似ているもの』@tamatogi

ochamatsuri2013-02-02

 たまには、作品を載せてみよう。でも、前置きから。

 桑原滝弥 × イシダユーリ presents「詩人類の夕べ 〜tamatogi〜 」に参加してきました。オープンマイクです。
 久しぶり、と言うか二回目。一回目は前の会場での最終回。随分前。って、桑原さん、よく覚えてはるなぁ。久しぶりだし、忘れられているんじゃないかとドキドキしていたですよ。ニコニコと迎えてもらってほっとしました。
 新作を試す根性は無く、候補はいくつか考えて用意していたのだけれど、昨日、ふと、あれも持って行っておこうと思ったのを詠むことに。詠むのは久しぶり。『似ているもの』。文字で読み取れる以上に、大阪弁と共通語を混ぜて詠んでおります。
 2009年の作品。時勢に合わせて、一部加筆修正。
 
『似ているもの』
右と左 漢字で書くとややこしい
開くと閉じる エレベーターで気ぃ利かせたつもりが、閉めてしもた
上と下も よう似てる
てっぺんと底辺 耳で聞いたらそっくりや
どちらにしても 紙一重

地球と子宮 命をはぐくむ
至急と緊急と危急と火急と救急と 一番急いでいるのはどれ?
気球に乗って気流に流され 空を行く
行くも帰るも 紙一重
行く人来る人 紙一重
行く年来る年 NHK
明日の天気はどうですか
「空から恵みの雨が降るでしょう」
乾いた大地にその味甘露
恵みの雨は 甘いのだ
恵まれた飴玉 甘いのだ
私の考えは 甘いのか荒いのか
荒井由美なのか松任谷由美なのか
待つと言うのか まずいと言うか
まずいのは私の腕か あんたの舌か
舌の根乾かぬうちに 舌先三寸
だまして黙らせ
黙ったあなたを許すのか 
黙ってあなたをゆするのか
ゆするのは膝なのか腰なのか
越すに越されぬ大井川
お〜いと呼びかけ 追いかける
神の意図か赤い糸
追いかけ 結ばれたあなたが
いとしい いとしい いとおしい
おしいから もっと欲しい
欲しいから努力 足りなくて暴力
暴言と妄言と妄想と空想と空理空論
空虚な人生を送る人の住む住居
住居と住所
あ、引っ越しました お近くにお越しの際はと挨拶状
そんな風についでのように
立ち寄ったり立ち寄られたりは した事が無い
した事が無い事は出来なくても仕方が無い
仕方が無いから学ぶしかない
鹿が鳴いてる奈良の都は青丹よし
青二才でも育って行くさ
すれていくさ ふけていくさ
戦の無い世と 安易な言い草
草葉の陰で 兵隊さんが泣いている
泣いて笑って 無い物ねだり
無い袖振って ふり合って
これも他生の縁ではないか
内科に眼科に耳鼻科に歯医者
医者とのご縁は深まるばかり
深みにはまった 我が人生
自分の所為か 他人の所為か
責任者出て来い!人生幸朗師匠がぼやいてはる
ぼやけた視界
あー、そろそろ老眼
老眼のモーガン・フリーマン
老眼の 紅顔のもと美少年
厚顔無恥の 無知の知 愛のムチ
飴とムチなら お手の物
お手盛りいっぱい 手一杯
三杯目にはそっと出す
わたしゃ地球の 居候
ようそろうと船を出す
「出したらちゃんと片付けなさい」
わたし 片付けられない女です
いつまでたっても片の付かない事ばかり
男と女は難しい
男と男も難しい
女と女も難しい
親と子だって難しい
先生と生徒は難しい
監督と選手も難しい
赤の他人は難しい
上下関係ややこしい
右も左もわからずに
前後不覚に酔っ払う
よってたかって責められる
せめてお水を下さいな
さいならさいならまた明日
明日は明日の風が吹く
吹けば飛ぶよなささやかな
暮らしをめぐって言葉がめぐる
ぐるぐるぐるぐる地球がめぐる
月がめぐる 星めぐる
果て無き宇宙の中の地球の中の子宮の中で
めぐる命はゆっくり呼吸

まだなーんにも知らないよ
まだなーんにも怖くないよ
まだなーんにも なーんにも
なーんにでも なれるよ