川島むーのお茶祭り日記

お茶祭り企画代表、川島むーの心に映り行くよしなし事を、あれこれと

トーキング・トゥ・テロリスト

 昨日は観劇に。いや、実は、ここ数日の暑さでバテバテで、出掛けられるかどうか、当日まで不安だったのだが。なんとか、なりました。ふぅ。・・・最悪、相方一人で行ってもらわないと駄目かと思っていたのだ、実は。

 で、観に行っていたのは、これ。http://www.gaiadaysfunctionband.com/gdfb/product/003/index.html

 ドキュメンタリー・シアターと言う、実際の事件の当事者・関係者達へのインタビューをし、そこで得られた言葉を再現すると言う手法で作られた作品『トーキング・トゥ・テロリスト』。
 現在の世界で起こっている様々なテロ事件。その当事者・関係者達の言葉で構成された舞台。


 刺激的でございました。

 まずは、「ドキュメンタリー・シアター」と言う手法が。再現劇と言う意味では、フォーラムシアターと言うのもあるが、あれは相互の紛争解決のための手段。ワークショップなんかで使ったりしているけど、「ドキュメンタリー」の方は、観客に見せる演劇と言うことになるのかな。観客にとって遠い話だったものを、ぐっと傍に引き寄せる。映像でドキュメンタリーを見るより、もしかしたらこういう風に役者が再現するのを生で見るほうが、リアルに自分に近いものとして感じられるのかもしれない。
 
 単純に、面白かったと言うことでもある。一人何役もこなし、それも膨大な量の台詞、おまけに実際の人物の実際の言葉を扱う訳で、おいそれとアドリブをかませる訳にはいかない。役者の力量が問われる舞台。ゾクゾクします。

 内容は、上記の通り。世界各地で起きたテロ事件の当事者達の言葉。テロを仕掛けた側、仕掛けられた側。それぞれが、語りたくて聞いてもらいたくて仕方が無かった言葉。膨大な言葉が、遠い世界と思いがちな事件を、引き寄せてくる。
 やられた、と思ったのは、ラスト。何となく終わりっぽく、ちょっといい感じと言うか落ち着いた感じの言葉が語られたと思ったら、次の若い世代の少女が呟いた台詞が、すべてをザックリと切ってしまった。

「今度は彼ら(アメリカ)が苦しむ番。」

 負の連鎖。

 重い物を突きつけられました。